食と健康の良い関係>●消化のよいものが体にいいとは限らない?

人間の生理機能は30歳を過ぎたころから衰え始める。

だからといって日常生活に障害がでるわけではない。

ふだん生活するなかでは、各臓器がもつ能力のうち2分の1から
3分の1程度しか使っていないからだ。

だが、60歳、70歳になると予備力も少なくなるので、各臓器には
できるだけ負担をかけないようにしなければならない。

年をとったら消化のよいものを食べるようにしなければならないの
はこういう理由があるからだが、消化のよいものが必ずしも健康に
プラスになるとは限らない。

消化がよくあっさりしたものばかりを食べていると、良質のタンパク
質が不足して感染症にかかりやすくなる。

年をとると尿路感染症や肺炎などにかかりやすいから、良質のタン
パク質で体に抵抗力をつけることも必要なのだ。

また、体にいい食物繊維は、体内にこれを消化する酵素がないた
め消化されないが、大腸内細菌が食物繊維を分解して、その分解
産物が便のカサになるから、食物繊維を取らないと大腸で便がつく
られない状態になる。

高齢者は消化管の運動機能が低下しているから、ただでさえ便秘
がち、加えて消化のよいものばかりを食べていると大腸の機能は衰
えるばかりである。

使わなければ衰えるのは脳も大腸も同じである。

肝心なのは調理法や食べ方。早食いや過食を戒め、硬い牛のすね
肉や鶏皮を避ける。

卵の白身は加熱しすぎず、魚は焼くよりうす味で煮る。

野菜は生でなく、煮たり、炒めたりして食べる。食後には果物も適度
にとってビタミンを補う。

やわらか頭で、バランスよく食べることが大切なのだ。

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